ジャコ・パストリアス



ジャコ・パストリアス(John Francis Anthony Pastorius V 1951年12月1日生)
 [アメリカ・ジャズ、フュージョンベーシスト]


 エレクトリックベースの奏法に革命をもたらしたと言われ、彼が死した今においてもその信奉者は世界中に数多い。有名なベーシストは数多く居るが、ジャコはそれまでリズム楽器としての認識が強かったエレクトリックベースを花形楽器まで昇華させたイノベイターとして、エレクトリック楽器の歴史に一石を投じている。

 1976年にエレクトリック・ジャズ・バンド「ウェザー・リポート」に参加し、バンドは頂点を迎えた。ウェザー・リポートの黄金期と言われている1976年-1981年の間は世界各地のフェスティバルへ引っ張りだことなり、ウェザー・リポートが出演するとなると観客動員数も鰻登りになった程だった。

 1982年にウェザー・リポートを脱退。その頃からジャコの生活は荒れはじめた。ドラッグに溺れたり躁鬱病に悩まされ、コンサート・ツアー中にも奇行が目立つようになり、ドラッグ更正施設への入退院を繰り返すようにもなった。

 1987年9月11日、地元フォートローダーデールに来ていたサンタナのライブに飛び入りしようとしたところ、警備員が知らなかったのか当時の姿からジャコ本人とは信じられずにか追い出されてしまい、失意の内に訪れたナイトクラブ「ミッドナイト・ボトルクラブ」に泥酔している状態で入ろうとしたところ、空手技能を持つガードマンとの乱闘となり、投げ飛ばされた弾みで倒れた際に鋭角なモノに頭部を強打し、脳挫傷による意識不明の重体に陥った。病院の担当者の話では片方の目が潰れており、左腕の機能が全損状態だったという。運び込まれた病院では昏睡状態が続いていたが一向に意識の回復が望めず、家族同意のもと、父親のジャックの手により人工呼吸器が外され、1987年9月21日21時25分、家族らが見守る中、永眠した。暴行容疑で逮捕されたガードマン、リュック・ヘイヴァンはその後の裁判で、第二級謀殺罪が適用された。

 1987年9月21日死去(享年35)


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